意志の力に頼らない 行動のクセと心の仕組みを使った“ゆるっと続くダイエット術”

ダイエットの工夫

「また今回もダイエット続かなかった…」「私って本当に意志が弱いな」
そう自分を責めていませんか?
私自身も昔はダイエットがまったく続かないタイプで、ジムは数回行ったきり会費だけ払い続けるなんてこともしょっちゅうでした。

でも、ダイエットが続かないのは「やる気がないから」ではありません。
私たちの行動や選択は、実は無意識の「心のクセ」によって決まっているんです。

この記事では、私たちの行動を無意識でコントロールしている「心のクセ」を解説して、具体的なダイエット継続術を紹介します。
頑張らなくても、無理しなくても、自然と健康的な習慣が身につく工夫で、「三日坊主」から卒業しちゃいましょう!

自己紹介
kojima
・美味しいもの大好き元万年ダイエッター
・食事改善で12kgのダイエットに成功
・ダイエット中でも安心して食べられるおいしいグルメを探求中

「いつも通り」を利用する工夫

人の脳はエネルギーを節約するために、意識的な選択よりも「習慣」を選びがちです。
この「いつも通り」を維持したいという心の働きが、ダイエットでの行動を阻んでしまうことがあるんです。

「いつも通り」を選んでしまう理由

新しいことを考えたり、難しい選択をしたり、実際に行動を起こすときは、エネルギーをかなり消費します。
人の脳は省エネモードを好むので、「いつも通り」「慣れているパターン」を選びたがる傾向があるそうです。
これを心理学では現状維持バイアスと呼びます。

現状維持バイアスとは、現状を変えることによる不利益や、新しい選択をする労力を避けたがる心の働きのことをいいます。
大事な意思決定に備えて脳の活動容量を残しておくために、日常の行動は「無意識のルーティン」で処理されがちです。
ダイエットでは、この「無意識のルーティン」が邪魔になってしまうことがあります。

ダイエットで起きがちな例

現状維持バイアスが、ダイエットの邪魔になる例はこんな感じです。

1. 夕食後に無意識でお菓子を取りに行く
テレビを見ながら、スマホを見ながら、なんとなくお菓子に手を伸びてしまうことがありますよね。
それは「食べる」という意志ではなく、「夕食後はリビングの戸棚からお菓子を出す」という長年の行動パターンに脳が自動操縦されている状態なんです。

2. つい簡単なものばかり食べる
疲れて帰宅した後、わざわざ手間のかかる健康的な料理を作るよりも、「コンビニで済ませる」「カップ麺にする」という労力の少ない“いつものパターン”を選んでしまいます。
「健康に良いものを選ぶ」という意志よりも、「楽したい」という無意識の欲求が勝ってしまうのです。

対策:“自動的に健康になる環境”を作る

意志の力で現状のパターンを変えるのはとても難しいので、「変える」のではなく「新しい、健康的なパターンを自動化する」環境を作りましょう。
大事なのは、「健康的な選択を、一番楽な選択肢に設定する」ことです。

1. 朝食を固定化する
「今朝は何を食べよう?」と迷う時間と労力をゼロにします。
月曜日から金曜日の朝食は「寝かせ玄米と味噌汁と卵」のようにパターンを固定してしまいましょう。
固定化することで、毎朝の選択ストレスが消え「健康的なものを食べる」ことが自動的な”いつものパターン”になります。

2. 冷蔵庫の手前にヨーグルト
冷蔵庫を開けた時、一番手前に目に入る場所にヨーグルトやカットフルーツなど、健康的で手軽に食べられるものを置きます。
無意識に手が伸びる対象を、お菓子から健康食品に変える工夫です。

3. カット野菜を常備してすぐ使える状態に
調理を面倒に感じさせないために、すぐに使える状態の食材を常に準備しておきます。
例えば、キャベツはカットしたものをジップロックに、きのこ類はほぐして冷凍庫にいれることで、「簡単なものを選ぶ=カット野菜」というパターンに書き換えます。
意志に頼らず環境を整えることで、無意識の行動を健康な方向に誘導してしまいましょう。

「決断疲れ」を減らす工夫

ダイエットに限らず、私たちは毎日多くの選択を迫られています。
この「選ぶ」という行為自体が、人のエネルギーを大きく消耗させる原因になっています。
消耗が積み重なると、「決断疲れ」を引き起こしてしまって、継続が難しくなってしまいます。

「今日は何を食べよう?」が毎日の負担

人は毎日、無数の「選択」をしています。
朝起きて「何を着よう?」「朝食は何にしよう?」、仕事中には「このタスクを先にやろう」、夜には「今日の夕食は何にしよう?」

特にダイエット中は、「カロリーは?」「糖質は?」「PFCバランスは?」といった新たな選択基準が増え、「何を食べようか」という単純な問いが、毎日の大きな「決断」になってしまいます。

選択のパラドックス

心理学に「選択のパラドックス」という考え方があります。
選択肢が多すぎると、人はその中から「最適なもの」を選び出すことに疲れてしまい、結果として行動しなくなる(何も選ばない)か、後悔しやすくなるという現象です。

毎日「最適な献立」を選ぼうと考えること自体が、脳にとってとても大きな負担となります。
この「選ぶ回数が多いほど疲れる」現象は「決断疲れ」といい、決断疲れがピークに達すると意志の力が急減してしまいます。
その結果、「もう考えるのが面倒だから、何でもいいや」と、一番手っ取り早い選択肢に飛びつきやすくなるんです。

対策:選択肢の削減・ルーティン化

決断疲れを防ぐには、「選ぶ回数を減らす」ことが一番効果的です。
重要な決定にエネルギーを温存するため、日常のルーティンを極力「自動化」してしまいましょう。

1. 平日は朝食・昼食を固定化する
例えば、「月・水・金は鶏むね肉のサラダチキンと玄米おにぎり」「火・木は宅配の冷凍弁当」といった具合に、平日の献立を事前に固定化します。
毎日昼食時に「何を食べよう」と考える必要がなくなります。

2. 運動は1種類だけ決めておく
「今日は筋トレ?ランニング?それともヨガ?」と迷うのをやめます。
「平日の夜は必ずストレッチ15分」のように、やるべき運動を1種類だけ、時間とセットで固定化してしまいましょう。
迷う時間をなくすことで、行動のハードルが劇的に下がります。

3. 買い置き食品は「迷わないセット」に固定
買い物に行った時や、疲れて帰宅した時に「何をストックしておこう?」と迷わないよう、ストックする食品も固定します。
例えば、「冷凍ストックは、鶏むね肉、ブロッコリー、冷凍うどんの3種類だけ」と決めます。
迷う時間=疲れる時間」と認識して、意識的に選択肢を減らすと続けやすくなります。

「ナッジ」で自然と行動を生み出す工夫

環境を変える工夫には、大きく分けて2つの方向性があります。
望ましい行動を促す「ナッジ」と、その逆に行動を抑制する「逆ナッジ」です。
意識せずに健康的な行動を実行できる環境を整えて、自分をやさしく誘導してみましょう。

A. ナッジ=行動しやすくする配置・工夫

ナッジ(Nudge)とは、行動経済学の言葉で、「ひじで軽くつつく」という意味です。
人を行動へやさしく誘導する仕掛けや、環境づくりのことです。

ダイエットでは、「健康的な行動を、意識せずに実行できる」ように環境を整えることを指します。

1. 水筒を前日に準備しておく
「水を飲もう」と思った時に、水筒を探したりお茶を淹れる手間があると、面倒になってしまうことがあります。
前日に水筒に水やお茶を入れておいて、デスクや玄関などすぐ目に付く場所に置いておけば、無意識に手に取りやすくなります。

2. 体重計を出しっぱなしにする
体重計がしまわれていると、「出す」という一手間で体重計に乗るのが億劫になります。
毎日測りたい場所に「出しっぱなし」にすることで、体重計に乗るハードルがぐんと下がります。

3. キッチンに“健康的なもの専用コーナー”をつくる
手の届きやすいキッチンカウンターに、プロテインやナッツ、高カカオチョコレートなど、健康的なおやつだけを集めた「ゴールデンゾーン」を作って、無意識に手を伸ばす先をこちらに誘導します。

B. 逆ナッジ=あえて手間を増やして、衝動を止める工夫

ナッジが「行動しやすくする」工夫なら、逆ナッジは「衝動的な行動を、あえて難しくする」工夫です。
行動までの道のりに「ちょっとしたハードル(フリクション=摩擦)」を置くことで、衝動が起きても、行動に移す前に理性を取り戻す時間を作ります。

1. お菓子を見えない場所に
「目に入る=食べたくなる」という衝動の連鎖を断ち切るため、お菓子を戸棚の奥や、リビングから遠い場所に隠します。

2. 開けにくい容器に保存
ポテトチップスのような大袋のお菓子は、食べるまでにクリップを外すなど一手間必要な開けにくい容器に移し替えます。

3. 買いに行くのが面倒な仕組み
職場の休憩中などにコンビニへ行くのが習慣になっている場合、あえて財布をデスクから離れた場所(ロッカーなど)に置くことで、「わざわざ取りに行く」という面倒なフリクションを生み出します。

C. 私の「3アクション・ルール」

私のダイエット経験で一番効果的だったのが、この「逆ナッジ」を応用した「3アクション・ルール」です。

■ きっかけ:気づいたらお菓子に手が伸びてしまう

仕事中に一息つきたい時や疲れて帰宅した時、気づいたらキッチンに向かって、ついついお菓子に手が伸びていました。
「意志が弱いから…」と落ち込む日々でしたが、意志の弱さではなく、お菓子が「簡単に手の届く場所」にあったという仕組みの問題だということに気づきました。

■ 工夫したこと:“食べるまでに3動作必要な場所”に保管

そこで、お菓子を「食べるまでに3動作が必要な場所」に保管することにしました。

  1. ストレージの扉を開ける
  2. 食品保存用の引き出しを開ける
  3. ジップロックから取り出す

これで、「お菓子を食べる」という行動の直前に、必ず3つのフリクション(摩擦)が生まれるようにしました。

■ 効果:途中で「今日はいいや」と思える

この小さな手間を加えただけで、驚くほどの効果がありました。
衝動的に「食べたい!」と思っても、扉を開け、引き出しを開けるという手順を踏んでいる間に、「いや、やっぱりやめておこう」と冷静になれる時間が生まれるのです。

結果として、“衝動”のまま食べることが激減しました。

■ メリット:禁止ではないからストレスゼロ

このルールが良かったのは、「禁止」ではないことです。
「本当に食べたい時は食べてもいい。でも、この3つの動作は必ず実行する」というマイルールです。

3アクション・ルールのおかげで、勢いで食べることが自然と減り、「頑張って我慢している」という感覚はありません。
行動経済学の「フリクション(摩擦)」が衝動を止めてくれたよい例だと思います。

逆に習慣づけしたいものは、アクションが必要ないように、すぐ目に留まる場所やすぐ手に届く場所に置くようにしています。

「ハードルを下げ」て行動スイッチを入れやすくする工夫

行動を継続させる上で最も難しいのは、実は「始める」ことそのものです。
「よし、やるぞ!」と意気込む意志の力はすぐに消耗してしまいます。
だからこそ、意志の力に頼らず「とりあえず始められる」仕組みを作ることがカギとなります。

意志より“とりあえず始める仕組み”が大事

ダイエットや運動を始める時、「完璧にやろう」「今日は30分頑張ろう」と大きな目標を立てがちです。
でも、これが行動のハードルを上げて、始める前に挫折する原因になります。

大事なのは、「意志の力でやり切る」ことではなく、「どれだけ楽に始められるか」の仕組みを作ることです。

5分だけルール

運動や習慣化したい行動は、「5分だけルール」でハードルを極限まで下げましょう。

1. 運動は「5分の動画」から始める
運動するのが億劫な日でも、YouTubeで「5分でできる筋トレ動画」をとりあえず再生します。
とりあえず5分間だけ動画に集中して、一緒に軽く動いてみましょう。
5分で終わってももちろんOKですが、「せっかく体を動かしたからもう少し」と続けてしまうと思いますよ。

2. 食事記録は「5分でOK」にする
毎日完璧なカロリー計算をするのは負担が大きすぎますよね。
そこで、「今日食べたものを、メインのものだけメモする」とハードルを下げてみましょう。
この5分の行動だけでも、自分の食習慣を客観視することでき、次の食事への意識が生まれます。

3. ストレッチは「1ポーズだけ」からでOK
「全身ストレッチ30分」は面倒でも、「気になる部分のストレッチを1ポーズ、5呼吸だけ」なら、すぐに実行できますね。
寝る前に布団の上で寝ころびながらでもいいんです。
このちょっとした行動から、「今日もストレッチをした」という満足感が生まれて、継続につながりやすくなります。

とりあえず始めると、続きが自然に生まれる心理

人は一度行動を始めると、それを最後までやり遂げたくなる心理(作業興奮など)を持っています。
「スタート」に一番エネルギーが必要で、一度スタートしてしまえばそのまま慣性で進みやすくなります。

5分だけルール」は、そのスタートのエネルギーを極限まで減らして、「とりあえず始める」を後押しする仕組みです。
始めるのが簡単になれば、あとは脳の自動継続システムが自然と働いて、続きの行動を生み出してくれます。

小さな「できた」を積み重ねて自信を作る工夫

「完璧にできないなら、意味がない」そう考えて、すべてを投げ出していませんか?
実はこの完璧主義こそが、長期的なダイエットを妨げる原因です。

完璧主義は続かない原因

ダイエットを始めると、「毎日100%完璧な食事をしないとダメだ」「運動をサボったら意味がない」と考えがちです。

でも、完璧主義は一度失敗した時の「どうせ私にはダイエットは無理なんだ」という挫折感を増幅させて、ダイエットを断念させる原因になってしまいます。

“毎日10点中3点”でOK

完璧を目指すのではなく、「毎日、何点でもいいから点数を取る」ことを目指しましょう。
「今日は10点中3点だった。でもゼロじゃなかった」
この考え方がとても大事なんです。

たとえ夕食で少し食べすぎてしまっても、朝食でヨーグルトを食べたなら「3点」です。
運動をサボっても、階段を使ったなら「3点」です。

「毎日、何か一つでも健康的な行動ができた」という小さな成功体験を積み重ねると、自己効力感(自分にもできるという自信)が高まります。
この自己効力感が、モチベーションの低下を防いで、継続する原動力になってくれます。

「できたことリスト」をつけるメリット

日々の行動をチェックする際は、「できていないこと(反省点)」ではなく、「できたこと(成功点)」にフォーカスしましょう。

「できたことリスト」の例

● 朝、水を一杯飲んだ
● エレベーターではなく階段を使った
● いつものお菓子の代わりにナッツを食べた
● 3アクション・ルールを守った
● ストレッチを1ポーズやった

小さな「できた」を意識的に記録することで、人の脳は「自分はちゃんとできている」「やればできる」とポジティブな認識を持つようになります。

小さなご褒美で継続率を上げる工夫

私たちの脳は「ご褒美」が大好きです。
ある行動を取った結果良いことが起きると、脳はその行動を「心地よい」と感じ、繰り返そうとします。
この仕組みを意図的に利用することで、「頑張る」意志力なしに習慣を定着させることができるんです。

報酬があると続けたくなる仕組み

人の脳は、行動の結果に「報酬(ご褒美)」があると、「この行動を繰り返せば、また良いことが起きる」と学習します。
この「報酬系」の仕組みは、習慣を定着させるために大きな力を発揮します。

多くの人は、体重が減ったという「結果」を報酬にしようとしますが、それでは結果が出るまでに時間がかかりすぎてしまいます。
報酬がないことに不満を感じて、「ダイエットを続けても意味がない」とダイエットを断念してしまいかねません。

体重より“行動”に報酬を与える

ダイエットを継続するためには、「結果」ではなく「行動」の直後に、小さな報酬を付けるようにしましょう。

1. カレンダーに○を付ける
運動ができた日や、お菓子をナッツに置き換えられた日には、カレンダーに大きな○をつけます。
この「視覚的な達成感」が脳へのシンプルな報酬になります。

2. 週に1回好きなものをOKにする
「1週間決めたルールを守れたら、週末のランチは好きなものを食べてもOK」といった、計画的なチート食を設定してみませんか。
「我慢の対価」ではなく、「頑張った行動へのご褒美」がダイエットのコツです。

3. 健康グッズやウェアを楽しむ
運動を1週間継続できたら、欲しかった新しい運動ウェアや、ちょっと良いプロテインなど、運動をさらに続けやすくするアイテムを購入します。
新しいウェアやプロテインを試すことで、さらに運動への意欲が増して、どんどん続けやすい環境が整ってきます。

報酬(ご褒美)」をうまく利用すれば、「意志の力」ではなく「楽しさ」が継続の原動力になり、ダイエットを続けやすくなってきます。

「心の食欲」を抑える工夫

衝動的に食べすぎてしまうのは、栄養が不足しているからではなく、心の中の満たされない感情が食欲という形に化けていることが大きな原因です。
この「心の食欲」に対処できるようになれば、無駄な食べ過ぎを劇的に減らせます。

ストレス・退屈・寂しさが食欲に化ける心理

食べすぎや衝動食の原因は、必ずしも「身体的な空腹(体の食欲)」だけではなく、多くのケースで「感情的な空腹(心の食欲)」が原因になっています。

💨 ストレス
仕事で嫌なことがあった ➡ 甘いもので気分転換したい
💨 退屈
特にやることがない時間 ➡ 口寂しいから何か食べよう
💨 さびしさ
一人でいる時間 ➡ 食べ物で心を埋めたい

この感情が「満たされていない状態」から逃げるために、手っ取り早く「食べること」で心を満たそうとしてしまうのです。
以前の私自身も、「食べること」が唯一のストレス発散法でした…。

「心の食欲」に気づく簡単な方法

この「心の食欲」をストップさせるには、自分に「お腹が空いているのか、それとも気分が満たされていないのか」を問いかけてみることが大事です。

食べる前に、立ち止まってこの質問を自分に投げかけてみてください。
もし「気分」だと気づけたら、次に「食べる以外の手段で、その気持ちを満たす」方法を考えましょう。

代わりの行動を2~3個事前に準備

「心の食欲」だと気づけたら、代わりに実行できる「気分転換メニュー」をあらかじめ2~3個準備しておきましょう。
これは、食欲という衝動に「代替行動」を差し込むことで、衝動的なエネルギーを分散させるテクニックです。

温かいお茶:口寂しさを紛らわせ、リラックス効果をもたらす
軽い散歩:場所を移動し、気分をリフレッシュする
深呼吸:数回繰り返すだけで、自律神経が整い、衝動が収まる
音楽をかける:好きな音楽に集中し、脳を食べることから切り離す

衝動的な食欲が「心の食欲」だと気づいたら、まずは準備しておいた代替行動を5分だけ試してみてください。
食欲が自然と収まって落ち着いてくるはずです。
お気に入りのお茶や香り、音楽などを準備しておくと安心ですね。

「簡単・わかりやすい・自動化」3条件の工夫

ダイエットを継続させる習慣には、次の3条件が揃っていることが大事です。

  1. 簡単(EASY):行動のハードルが極限まで低い(5分ルール、1ポーズだけ)
  2. わかりやすい(CLEAR):いつ、何をやるかが明確(毎朝7時に水を飲む)
  3. 自動化(AUTOMATIC):意志を使わず、環境やルーティンで実行できる(ナッジ)

無意識でも実行できる環境を作る

これまでに紹介したテクニックを組み合わせて、「簡単・わかりやすい・自動化」の3条件を満たす、具体的なマイルールを作っていきましょう。

例①:寝かせ玄米×卵の固定朝食

習慣の3条件内容
簡単温めて混ぜるだけ。調理時間1分未満
わかりやすい「平日朝食」と明確に固定
自動化冷蔵庫に常にストックし、迷う余地を与えない(選択肢の削減)

例②:常温宅配食のストック術

習慣の3条件内容
簡単レンジで温めるだけ。疲労時でも実行可能
わかりやすい「疲労で自炊できない日の夕食」と明確にルール化
自動化冷蔵庫に常にストック場所を固定(ナッジ)

例③:おやつは“高カカオチョコ1つだけ”ルール

習慣の3条件内容
簡単1枚だけを取り出す
わかりやすいおやつの種類を明確に限定
自動化食べるまでに3アクション必要な場所から取り出す(逆ナッジ)

今日からできる3つのステップ

ダイエットのために、と完璧な計画を立てる必要は全然ありません。
まずは次の3つのステップから、1つ選んで今日から実行してみませんか?

① 迷う時間を減らす(固定化・ルーティン)

やるべきこと:
明日から1週間の朝食を固定化する(例:ヨーグルト、バナナ、プロテイン)

効果:
「決断疲れ」を減らして、脳のエネルギーを温存します。

② 健康的なものを手前に、誘惑を遠ざける

やるべきこと:
冷蔵庫の一番目立つ場所に、ヨーグルトやカット野菜を配置する(ナッジ)して、お菓子をリビングから見えない場所へ移動させる(逆ナッジ)

効果:
意志の力を使わずに、無意識の行動をダイエット向けの健康的な方向に誘導します。

③ 気持ちのアップダウン対策を持っておく

やるべきこと:
ストレスや退屈を感じた時に「食べる」代わりにできる行動(例:温かいお茶を淹れる、深呼吸3回)を、2つ紙に書いて冷蔵庫に貼る。

効果:
「心の食欲」に気づき、食べすぎを未然に防ぎます。

まとめ:意志の力より、ちょっとした工夫がダイエットを変える

ダイエットが続かないと悩んでいる方は、きっと真面目で頑張り屋な方だと思います。
でも、ダイエットに成功するために本当に必要なのは、根性やガマンではなく、「あなたの行動と心の仕組み」を理解して、そのクセを逆手に取るちょっとした工夫です。

  • ガマンより 工夫
  • 無理より 仕組み
  • 完璧主義より 小さな成功体験の積み重ね

意志の力は、使えば使うほど消耗してしまいます。
でも「仕組み」を一度作ってしまえば、深く考えることなく自動的に続けることができるようになるんです。

今日から頑張らないのに続くダイエットで、あなたの行動のクセを味方につけて、目標を達成していきましょう!

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